【短】Secret Kiss

「…っ、何でもないです!ごめんなさい…!!」



あたしは早口でそう叫ぶと、自分でも驚くくらいの速さで教室を飛び出す。


後ろから美奈の声が聞こえたけど、それも無視して、ただ走り続けた。



「はぁっ……はっ…」



誰もいない屋上まで来ると、立ち止まって乱れた呼吸を直す。


冷たい風が体を突き刺すと、あたしはその場にストンと座った。