「滝川くん、どうしたの?」



滝川くんの隣まで戻ると顔を覗きこむ。


暗闇のせいか、表情がよく読み取れない。



「滝川くん?」


「…あのさ、川西」



もう一度声をかけると、小さな声であたしの名前を呼ぶ。


それに小さく首を傾げて滝川くんを見れば、彼は真剣な声で…




「…キス、してみない?」




あたしの頬に手を添えながら、そう言ったんだ―――。