スノードーム





そう言われてドキドキと高鳴る心臓を先輩は知らないんだろうな。

顔も赤くなるし…やめてほしい。




「私なんかに会って、どうするんですか」




照れ隠しに口を突いて出たのはそんな可愛くない台詞。


それでも彼女に会いに行けばいいじゃないですか、とは言えなかった。


そんな自分の傷口に塩を擦り込むような真似、私には出来ない。

Mじゃないし。




「なんだよー会いに来ちゃまずかったわけ?」




私の言葉にムスッと眉を顰め私の顔を覗き込んでくる先輩。


上目遣いになってるのは計算なんだろうか。


その表情は年上には見えない可愛らしいもので(いや、実際一つしか違わないんだけども)。