そしてグシャグシャと髪を掻き乱される。
「ぎゃー!やめてくださいよー!」
「シカトしたお前が悪い!」
私の髪に触れるそれは、間違いなくいつのまにか目の前に立っていた先輩の手で。
その事実にぼっと顔が熱くなる。
それを隠すように"ぐちゃぐちゃになります!"と叫んでみても先輩は素知らぬ顔。
離れてくれる気配はない。
(やばい。本当に恥ずかしい…!)
でも、そんなこと言いながら私も万更ではないんだ。
だって、好きな人に触れてもらえるんだもん。
どんな理由であっても、どんな状況でも大好きな人に触れてもらえてるんだもん。
嬉しいに決まってる。


