スノードーム





けれど先輩は知らない。

全然わかってない。


私が、どれだけあの子に嫉妬したのか。

どれほど羨ましかったのか。




「…私だって、マネージャーが羨ましかったです」




そう小さく呟けば、先輩は驚いたように目を見開いた。

そんな先輩から視線を下に逸らして言葉を続ける。




「部活頑張ってる先輩をいつも傍で応援できて、名前で呼ばれてて…」




羨ましくて仕方なかった。


なんの躊躇いもなくすぐ傍で応援できること。

落ち込んでる先輩に手を差し伸べられること。

名前を呼んでもらえること。


何一つ私には遠くて。

何度一人で泣いたかわからない。




「…なんか、俺ら似た者同士みたいだな」