「…俺、めちゃくちゃ嫉妬深いかも」 そう言ってマフラーに顔を埋めながら片手で頭を掻く先輩。 襟足辺りを気にするのは、先輩が照れたときの仕草で。 思わず顔が赤くなる。 「嫉、妬…ですか…?」 「…ん」 短い返事とともにチラリと向けられた視線にドキッと胸が高鳴る。 先輩の真っ直ぐに人を見る目はすごく好きだけど、同時に何よりも苦手だ。 その力強さに動けなくなってしまうから。 (心の奥まで、掴まれちゃいそう) そしてまた、恋をしてしまうから。 「ツカに、めちゃくちゃ妬いた。すっげー、妬いた」