何故なんだ。
そんなことあるわけないのに。
ずっと先輩を見てきたんだもん。
そんなことあるわけないんだ。
「…もー…俺、超格好悪いじゃん」
ぐしゃぐしゃと頭を掻いて項垂れる先輩に、またきゅんと胸が高鳴る。
「格好悪くなんか、ないです」
それだけ思ってくれていると自惚れてもいいんだろうか。
それに、それを言うなら私も同じだ。
私も先輩はマネージャーと付き合ってるんだと思ってたし。
片想いには勘違いが付き物なのかもしれない。
「私も勘違いしてたので…お互い様ってことで」
顔を見合わせて、二人小さく笑った。


