「なんでヨシくんの名前が出てくるんですか?」
意味がわからない。
思わず眉間に力が入る。声の勢いも強くなってしまった。
でも…せっかく人が一世一代の告白をしたっていうのに。
ちょっとその返しはどうなのと思う。
そんな私とは対照的に先輩は動揺したように視線を下げて。
「だって、ツカと付き合ってるんだろ…?」
しゅん、と俯いてしまった。
悲しそうに目を伏せている先輩。
え、なにこれ可愛い。
生えていないはずの獣耳が見えた気がする。
って…あれ?今先輩何て言った?
「私とヨシくんが…付き合ってる…?」
確認するように問いかければ、小さく縦に揺れる先輩の首。
なんでそうなった。


