勇気を振り絞って伝えたその一言。
いつだって口にするのを躊躇っていた。
関係が壊れるのを恐れて逃げていた言葉。
だけど何より伝えたかった想い。
一度口にしてしまえば私の想いは溢れ出して。
緊張のせいで指は震えているけど、なんとか先輩の顔を見上げる。
すると先輩はこっちがびっくりするくらい驚いた顔をしていた。
「先輩…?」
何でそんなに驚いた顔をしているんだろう。
だって…先輩は私の気持ちに気付いてたんでしょ?
先輩の反応を不思議に思い首を傾げて名前を呼べば、返ってきたのは予想もしない言葉だった。
「だ、だって…ツカは…?」
「…は?」
何故ここでヨシくんが出てくるんだ。


