スノードーム





ドクン、



大きく、大きく心臓が音をたてる。

体の外まで響いて先輩にその音が聞こえてしまうんじゃないかと思うくらい大きく。


それほどに私を乱す先輩の口から紡がれた言葉。

それは、絶対に聞くことは出来ないと思っていた言葉。




(う、そ…)




そう簡単には信じられなくて。

冗談を言われているのかと思った。


でも目の前の先輩の目は真剣に私を見据えているから。

その瞳に映してくれるから嘘だとも思えなくて。


先程までとは違う意味で震える指先。

喉が詰まって声が出ない。


そんな動揺している私に気付いているのかいないのか。

先輩は一度目を瞑って深呼吸すると更に言葉を続ける。