スノードーム





「…に…た…い」


「え?」


「先輩に、そんなこと、言われたくない…!」




ガタン、と音を立てて椅子から立ち上がる。

さっきまで動かなかった体が嘘のように動きだした。


先輩が驚いたように目を見開いてこちらを見ていたけど、関係ない。




「先輩は…先輩は私が先輩のことを好きって知ってて彼女つくったっていうんですか!?知ってて見せ付けるようなこと言ったんですか!?」




こんなこと言ったらどうなるのかとか、今までの関係が崩れたらどうしようとか。


いつも気になっていたのに、今はもうそんなこと考えられなくて。


込み上げてくる思いのまま口から言葉が飛び出していく。