うぅ…と口を閉じることしか出来なかった。完全敗北。 そんな私の横から、ヨシくんが耳元に口を寄せ囁く。 「もし一人でいるときに、まつやんとマネージャーに会ったらカンナが困るだろ」 その言葉にドクリと心臓が波打った。 ズキンズキンと痛む胸は正直に"嫌だ"と告げている。 ふと、部屋に飾ってあるスノードームの中の二人が頭を過った。 俺がいれば助けてやれる。 そんな甘い言葉を言われて頷いてしまった私は、思っていたより失恋の傷が深かったらしい。