やっぱり来るんじゃなかったな。


せっかく着てきたワンピースもなんだかここでは意味ないし。

着飾ってなんかいない女優さんたちのほうがずっとキレイだ。

別に勝ちたいわけじゃないけどさ。



私は、ちょっとだけスタジオの外を見学してみることにした。

すぐにもどってくれば大丈夫。

おじさんは私のことなんかすっかり忘れているようだし。

ここにいてもぜんぜん楽しくない。




重い扉を開けて廊下に出ると、隣のスタジオの扉にはバラエティ番組の収録スケジュール表が貼られていた。


廊下の先には、休憩室の表示看板がかかっている。


さすがにヒールの靴でずっと立っているのには疲れていて、座って休めるかもって思って私はその看板方向へ向かって歩いた。