「カット。ご苦労様でした~!!」


監督さんの声が響いて、いろんなところから歓声が上がった。



「ミズキ君お疲れ様でしたー」

「皆さん、お疲れ様でした。ありがとうございました!」

花束を渡されたミズキ君は、笑顔でみんなに頭を下げた。



セットの周りに飲み物と食べ物が運ばれてくる。

「では、撮影の無事終了を祝ってカンパーイ!」

私は配られたオレンジジュースを片手に、スタジオの隅っこに突っ立ていた。


「紹介してほしい人がいれば、紹介してやるぞー」

なんておじさんは言ってたくせに、私のこと忘れてみんなの中で笑っている。



テレビで見たことのある人たちばかり。


みんな、芸能界という私とは違う世界で生きている人たち。




雰囲気の違いに圧倒されちゃって、近づいてはいけないような気がした。