駅までの道のりはほんの数分。

繋がれたミズキ君の手は、バスケットボールの表皮みたいにつるっとしていて、なんだか不思議な気持ちになる。

小さい頃、繋いだ手とは全く違う、あたしの手をしっかり包み込んでしまう大きな手。


「また、夜メールするから」

別れ際、ミズキ君はそう約束してくれた。

「うん。またね」

あたしたちは、手を小さく振り合って別れた。