「史穂ちゃんどうした~? ミズキになんかされた?」


階段を駆け上がってくる音と声。

メロンソーダのグラスを乗せたお盆を持って、マスターがドアから顔をのぞかせた。


「何もされてないです!ちょっと…いえ、すごいびっくりすること言われたので声がおっきくなっちゃって」


「気がつくわけないだろなーとは思ってたけど」
「わかるわけないじゃない! 私みんなに騙されてたの!?」

「いや、みんなが騙されてたの。入れ替わったの知ってるのうちの家族だけ」