「きみは何の病気なの?」そう訪ねると
「私は骨の病気。なんか骨のガンらしいよ。骨肉腫っていうの。それでいろんなところに転移してるからもうてのほどこしようがないんだってさあー。余命は半年。じきに歩けなくなって寝たきりで息するのすら辛くなるんだって。」


彼女は淡々と病気の説明をした。まるで他人事のようにいうきみがなんだか不思議で仕方がなかった。
 
僕よりも半年短いのか…


するときみはこう言った。「私の夢はねーお嫁さんになることなの。あなたは走ること?さっき走りたいって呟いてたから。」


突然で驚いた。空の夢はお嫁さんになることか─


「そうだよ!ぼくの夢は走ることなんだ。病気で走ったことができなくて。こうやって本でしか走る気持ちがわからない。」


すると彼女は
「私もあなたが走るところ見たいな!あなたが走る時は言ってね。近くで応援してるから。」


ハニカミながら言う君を見ていたら急に恥ずかしくなってきて


「まぁ走ったことないしたぶんカッコ悪いけどそれでもいいなら…」


すると
「カッコなんてどうでもいいんだよ!走ることに意味があるんだもの。あなたの走る姿楽しみだな♪」


そう言うと君は採血の時間だからと病室にもどって行った。