岸谷くんのノート



姉はうふふとそのふっくらした唇に指を当てて、灯にさとす。


「その人が、自分をどれだけ大事にしてくれるのか。付き合ったら、どれくらい自分が幸せを感じれるかを見極めるのよ?」


「ふーん?」



大人の姉が言うことは、なんとなくしか分からないが、なんとなくは分かった。



灯は頷き、姉にお礼を言う。


「分かったよお姉ちゃん。観察続けてみる。ありがとう。」


「どういたしまして。でも灯ちゃん?遠くから見るばかりじゃなくて、本人に直接触れ合ってみるのも大事な事ヨ?じゃあね。」


そう言い残し、優菜は夜のデートへ出かけて行った。


灯はアイスを食べながら、また岸谷くんの事を考える。