空は母さんの名前だった。
「輝・・・・・・。何で・・・・。」
俺はこの時もうわかってたのかも知れない。
でも、不安で・・・・認めたくなくて。
「お母さん・・・・この人誰?」
母さんは少しためらいながら、
「空輝。この人は・・・・あなたのお父さんよ。」
この時、「やっぱりな。」と思った。
「空輝なのか?」
男の人は俺を見ながら少し目を見開いた。
たぶん、俺は今この男を睨んでると思う。
睨んでなくてもすごい顔をしてると思う。
そんな俺に気づいたのか母さんは話を逸らした。
「それよりも、どうしたの?」
「あ、あぁ。あのこれ・・・。」
そう言って、持っていた花束を渡した。
「ありがとう。で、要件は何?」
この時、どれだけ後悔しただろう。
何で、俺は母さんの言葉を止めなかったのだろうかと。
何で、俺は花束を受け取ろうとする母を何もしないでみていたんだろうと。
何で、この男をこの病室から追い出そうとしなかったのかと。
「実は、俺再婚して子供がいるんだ。」
あまりにも残酷な言葉を聞かないですんだのに・・・。
