「もう1回、ダメ?」

そう聞いてきた穂波に、
「――はっ…?」

俺は聞き返した。

こいつ、さっきの話を聞いていたか?

今日だけで、しかも1回だけって言ったよな?

何でもう1回が出てくるの?

「何か…またもう1回したくなったみたいな?」

そう言った穂波に、
「断る!」

俺は返した。

「何でー!?」

何でって…。

いきなりそんなことを言われたもんだから困った。

けど、1回だけと言う約束である。

って言うか、俺ははっきりとそう言ったはずである。