HAPPY GO LUCKY!!

人間を投げんな、人間を!

しかも弟だろうが!

すぐに閉められた襖に返す言葉が遅れた。

クソ、後で覚えてろよ。

心の中で毒づいた俺に、
「――江口拓人さん、ですよね?」

あ、声かわいい。

その声に視線を向けると、ショートカットがかわいい女の子が俺の目の前に座っていた。

こいつ、あきらかに俺よりも年下だよな?

その証拠に顔が幼いし。

これで年上だって言われたら、俺はひっくり返る。

「そうだけど、君は?」

そう聞いた俺に、
「やっぱり、覚えてないか…」

彼女は呟いたかと思ったら、悲しそうに笑った。