「ちょっとー、笑うところじゃないでしょー」

笑いながら言った穂波に、
「すまん、つい…」

俺は笑い出した。

アハハと笑いあう俺たちは、やっぱり夫婦だと思った。

やっぱり傷つくものはあるかも知れないけど、これが俺たちなんだ。

そう考えると、秘密の関係も案外悪くないかも知れない。


帰りのホームルームをするため、永田先生と一緒に教室へ足を向かわせていた。

「よかったですね、江口さんお元気になられて」

「よかったです」

昼休みは俺と過ごしたと言うこともあってか、穂波は午後2時間の授業には出席できたそうだ。

なんて話をしていたら、あっという間に教室の前についた。