HAPPY GO LUCKY!!

穂波は小さく息を吐くと、
「そうだよね。

拓ちゃんがそんなことで、あたしを叱りにくる訳ないもんね」
と、微笑んだ。

「でも、やっぱり傷つくものはあったよ。

女だなんて騒がれて、かっこいいなんて言われて。

あたしは拓ちゃんの奥さんなのに。

かっこいい拓ちゃんにはあたしがいるのにって、そんなことを思った」

「…そうか」

「でも仕方ないよね、あたしたちの関係は学校では親戚って言うことになっているし、ご近所さんにも親戚って言っているしね。

あたしたちは夫婦だなんて、誰も知らないよ」

穂波は微笑むけど、やはり寂しいものはあるらしい。