それから4ヶ月の5月のことである。

「拓ちゃん、忘れ物ない?」

「ああ、大丈夫だ」

穂波は無事3月に学校を卒業し、俺は退職した。

2人で俺の実家に帰り、両親と一緒に暮らしている。

そして4月から友達が経営する予備校の教師として、俺は働いていた。

「穂波、今日は検診だろ?」

「うん」

そう、今穂波のお腹の中には待ちに待った我が子がいる。

「性別がわかるのはまだ先だけど、絶対に元気な赤ちゃん産むね!」

穂波が笑顔を見せる。

出産の予定は、今年の11月ぐらいだそうだ。

それまでに、俺も頑張らねば。

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃーい」

笑顔で手を振る穂波に、俺も笑顔で振り返した。


☆★END☆★