「大事にしろよ、えぐっちゃん!」

体育館に響いた男子生徒の声に、俺は思わず視線を向けた。

「そうだ!

穂波ちゃんと結婚した以上は、責任を持って大事にせいっ!」

「穂波ちゃんを泣かしたら、あたしたちがえぐっちゃんを倒しに行ってやる!」

「絶対幸せになれよーっ!」

「えぐっちゃんのこと応援するから!」

あちこちからあがる生徒たちの声に、俺は泣きそうになった。

「静かに!

静かに!」

生徒たちの声は、教頭先生の声もかき消されてしまうほどだった。