HAPPY GO LUCKY!!

「穂波」

「んっ?」

「はぐれんじゃねーぞ」

こんだけたくさんの人がいたら探すのがめんどくさい。

こんだけ腕がきつかったら大丈夫のような気もするが、念のためである。

「離すつもりなんてないから安心して」

予想はしていたが、このセリフである。

しかもとびっきりの笑みつきだ。

クッソー、かわいい以外何にも思い浮かばない。

ようやくたどり着いた賽銭箱の前で、俺は財布から5円玉を取り出した。

ご縁がありますように、ってね。