もしもーし、ここに俺がいることを忘れていませんかー?

俺、君たちにそんな話を聞かされているから、すっごい怒ってるんですけどー?

「江口先生、大丈夫ですか?」

俺の顔の前でヒラヒラと手を振ったのは、永田先生だった。

ハッと、俺は我に返った。

「体調悪いんですか?」

永田先生が首を傾げて聞いてきた。

「い、いえ…」

俺は首を横に振った。

体調悪いんですかって、俺は今どんな顔をしていたの?

怒っていたのは事実だけど、まさか永田先生に心配されるとは。