おいおい、始まったよ。

俺を含める他の先生方は微笑ましそうに永田夫妻を見ている。

「いいだろ、夫婦だってみんな知ってるよ。

そうですよね、江口先生」

「え、ええ…」

いきなり俺に話を振るかよ。

つーか、何で俺に話を振るんだよ。

「で、何の用ですか?」

「次は100メートル走だから手伝って欲しいんだ」

「はーい、わかりました」

永田先生は椅子から腰をあげると、教頭先生と一緒に行ってしまった。