残暑お見舞い申しあげます。

どうせ2学期が始まるんだったら、残暑が終わってからにすればいいのにな。

「毎日暑いですね〜」

パタパタと扇子で自分の顔をあおぎながら、永田先生が言った。

白地にピンクの桜がかわいいその扇子は、空手部の合宿へ行った時に買ったのだそうだ。

教頭先生に買ってもらったと、彼女は嬉しそうに言っていた。

「いつまで続くんですかね」

ホント、気が滅入ってしまいそうだ。

「あ、江口先生」

教頭先生だった。

何だ?

彼から何だか嫌な予感がするのは、俺の気のせいか?