誰かの足音がした。 その足音で、私はわずかに目を覚ました。 カツ、コツ… 足音は、しばらく歩いてふっ、と止まった。 コト、 何かが顔の直ぐ側に置かれた。 「ん…」 伝わる温かさに、私は身じろぎをした。 すると、温かい手が私の肩に乗った。 「………、」 手は私を宥めるように肩を撫でる。 だんだん、 その感覚が心地よくなり。 私は、再び落ちようとしていた。 …その瞬間だった。