桑原は私の返答に
違和感を覚えたらしかった。
同課のミーハーな女子曰く、「柳眉」が少しひそめられた。
「どしたのマキマキ」
不思議そうに和泉が首を傾げた。
ちなみに和泉は、同じく同課のミーハー女子によれば、
「軽そうなのに女には奥手」
らしい。
例えば食事に誘っても承諾してくれなかったり。
…それってどうよ。
「言いたいことがあったら、ちゃんと言ってくださいね、彩夏さん」
心配しているかのような表情で、桑原は言う。
「大丈夫、気にしないで。
さ、行こう」
私が明るく笑うと、
桑原は不肖、と言った感じでカフェの扉を押し開けた。

