落ちこぼれの恋愛事情。


「そう言えば、
このお店、おすすめですよ」


桑原がふと足を止める。


「【Cafe*Rhythm】…?
甘い匂いがするけど…」

「えぇ、基本的にはカフェというだけあって、
甘いものが中心です」


桑原はにこっと笑う。


「あははっ、
マキマキなーいす。
ちょうど甘いものが食べたかったんだよね」


嬉しそうに和泉が笑った。


「彩夏さんは如何しますか?
ここでよろしいてすか?」

「私は…
えぇ、別にここで構わないよ」


他にどこも思い当たらないから、
とは言えない。

この辺りの店なんてろくに入らない。

普段は社食だから。