「課長、なぜですか? 彩夏さんが始末書を書く理由がありません」 桑原は意味が分からない、とジェスチャーした。 「桑原、 君も始末書が必要か?」 っ、と桑原が息を飲んだ音がした。 和泉は自分が褒められたにも関わらず、 厳しい顔で課長を見ていた。 「…ミスを認めて素直に教わらないからだ。 いつまでもこのままでは上条が甘える」 そう言うと課長は足音高く去って行った。 「…ぁ、」 気が、遠のいた。