そっか、今リビングにいるんだった・・・。

そう思いながらも、ドアを1つずつ開けては閉めていく。

そして2階最後のドア。

ぜってぇここにいるはずだ。

そして、思いっ切り開けたら・・・

「キャァーーー!!」

『ギャァーーーーーーー!!』

裸の女と、

・・・・・・上半身裸の・・・聖也。

私は少し見入ってしまったが

状況が読めて、すぐドアを閉めた。

何やってんだ?・・・私。

何でこんなにも

涙が溢れてくるんだろう・・・。


「ひかるちゃん!!」

新が走って来た。

「ひかるちゃん・・・見たんですか?」

私は何も言わずただただ俯いて、元来た道を走った。

途中で匡に会ったが今は止まることができない。

気付いたら外に出ていた。

そして今日の思い出の1つの場所・・・

海に来ていた。

もう時間が遅いから真っ暗。

月がいい感じに海を照らしている。

私は砂場に座り込んだ。

『・・・ッッ』

まだ止まらない涙。

やっぱり・・・

騙されてたのか?私。

もう会いたくない・・・。

その気持ちだけが私の心にあった。

どれくらい泣いただろう・・・

かなり時間が経ったような気がした。

「ひかるちゃん?」

優しい声で私の名前を言ったのは・・・

パツキン、匡。

「大丈夫?」

いつもより声が優しい。

何も答えない私の隣に匡が座った。

「皆心配してるよ?」

私の顔を覗き込みながら言った。