「行くぞ」

ブォォォォォン------

ものすごい音を立ててバイクが発進した。

『ってかさぁ・・・ヘルメット被らないわけ?』

乗せられたときに思った。

ヘルメットを被っていない。

「あぁ・・・大丈夫だ」

『何が・・・うわぁぁぁぁ!!』

言おうとした言葉をバイクの速さに潰された。

速くないか?

時速何kで走ってんだよこのバイクは・・・。

落ちるだろーが!!

私はその速さに何度も気を失いかけた。

でも・・・聖也の片手が

私の手を握っていてくれたおかげで、バイクからは落ちずに済んだ。

こいつにとって私は何なんだ?

「おい・・・」

ん?

バイクの音が全く聞こえない。着いたのか?

「おい・・・着いたぞ、降りろ」

やっぱり・・・。

「抱き上げんぞ」

『おっ降ります!』

私は回していた手をパッと離し、バイクから降りた。

「ひかる・・・」

いきなり名前を呼ばれ胸がピョンっと跳ねた。

『何だ・・・?』

「あいつ等に何かされたか?」

あいつ等?

あ~あ・・・昴達のことか・・・。

『何にも』

「そうか」

『ん?』

「何でもねぇ・・・入るぞ」

そう言って倉庫の中に入って行った。

続いて私も・・・。