「おい、入れ」

昴に呼ばれて入った倉庫。

「よくすんなり入ってくるな・・・いい度胸だ」

『あんさ・・・私を拉致してどうする気だよ』

1番聞きたいのはそこ。

「ん?・・・さぁな・・・」

はぁ・・・?

さぁなって・・・。

『拉致したのはそっちでしょ?』

「白琥が来れば分かる」

『はぁ?今言えよ』

「しゃぁねぇなぁ・・・言ってやるか・・・・・・白琥と対立するためだ」

『対立?』

「あぁ、あいつ等何も仕掛けてこねぇからさっ・・・こっちから仕掛けるんだよ。お前、最近あいつ等の近くにいるから、お前を拉致れば来るかと思ってさ」

でも・・・

『来んのか?あいつ等』

そこだ・・・。

「大事にしてれば来るだろ」

大事・・・。

『されてなかったら?来ねぇかもよ・・・』

「それはそれだ」

来るわけねぇだろ・・・。

最近出逢ったばっかだぞ?大事なんて・・・私がされてるわけ・・・

「来たぞ昴」

ドアから入って来て言ったのは令。

笑ってない・・・。

『来たって?』

「白琥だよ・・・ひかるちゃん」

『え?』

ホントに来たのか?

夢だろ・・・。夢なら、夢であれば余計な感情を持たなくても済むのに・・・。

「お前・・・ここで待ってろ」

『は?私も外行く!』

「はぁ?ダメに決まってんだろ・・・お前を簡単に返したら拉致った意味がねぇんだよ」

『ちっ』

じゃ・・・と言って外に出て行った昴と令。