「おい」

『はい!!!』

「うるせぇぞ」

『す、すんません』

私は鞄を持ち訳も分からず、聖也の後をついて行った。

このまま帰るとも知らずに・・・・・・。

「乗れ」

聖也の目線を辿っていくと

真っ黒の高級車。

『?』

「乗れ」

『はい?』

「乗れっつってんだろ!」

『あっ・・・はい!』

車に乗ったってことは・・・

あ~あ・・・さっき「送ってく」って言ったのかこいつは。

・・・・・・って、えぇぇぇぇぇ!!

『私を送ってくのか?』

「あ?あぁ」

こいつと2人きり・・・絶対嫌だ!

『1人で帰る』

そうは言ったけど

「俺がさっき言った言葉覚えてるか?」

『は?』

「危ねぇだろーが、狙われてるんだぞお前」

『あっ・・・そうだったな』

“雷桜”のことすっかり忘れてた。

「バカだなお前」

『言うな』

バカなのはもともとなんだよ。

「家・・・どこだ?」

えー・・・。こいつ知らないのか・・・。

教えた方がいいのか?

『あーとりあえずパチンコ屋知ってるでしょ?そこまで行って』

「あぁ」

家は教えないことにしよう。

あんまり関わってほしくない。

車が発進した。時はもう夕方・・・。

あー、今日こそは愛瑞に電話しねぇとな。