「気にしないでくださいね」

ありがとうごさいます。と言う代わりに

『はい』

はっきり言った。

「家・・・どこですか?」

『え?あぁ・・・』

ん~・・・どうしよっかな~?

家を知られるのも後で、面倒なことになりそうだから

『あっ・・・そこのコンビニで・・・』

と、言っておいた。・・・でも

「え?」

『あの・・・近くなんで家・・・』

「どこですか?家」

げっ・・・。

無理だった。新には敵わない。

『えぇ・・・っと、そこを右に曲がって・・・・・』

「右ですね・・・」

はぁ・・・。

結局は家まで送ってもらってしまった私。

「マンションなんですか?高級そうですね・・・?」

『あっ・・・そうですか?』

そうなんです。

私が住んでいるのはこの辺でも1番高級な、マンション。

「あの・・・遅くなんてしまいましたし家族には・・・」

は?家族?

あぁ・・・私1人暮らしなんだよな・・・。

でも絶対面倒なことになる・・・っと悟った私は

『あぁ・・・大丈夫!ちゃんと言っとくからさっ』

そう笑顔で言ってみた。

「そ、そうですか・・・。あっそうだ・・・」

『?』

「これ」

新から渡された2つ折りになっている白い紙。

「何かあったら電話をしてください」

『は?』

開いてみれば携帯番号?

何かあったら電話しろってか?