『いい』

私はソファーに置いてあった

鞄を持って出ようとしたら

「新、送ってってやれ」

「あ？あぁ･･･」

新？

「ひかるちゃん俺ならいいでしょ？」

まぁいっか･･･。

歩いて帰るのも面倒だし。

家･･･は結構遠いし･･･たぶん。

『あぁ、頼む』

「そっ･･･んじゃ着いて来てください」

私は素直に着いて行った。

しかしでも･･･匡、何も口を開かなかったな。

何か言いそうなのに･･･。

着いて行った先は、さっきいた倉庫に似た倉庫。

「少し待っててくださいね」

『はっはい』

ニコッと微笑んで中に入って行ってしまった新。

王子様･･･さっきの聖也のことを想像したら

まるで･･･王子様だ。

「ひかるちゃん、準備ができました」

いつの間にか外に出ていた高級車。

「乗ってください」

空いたドア。

私は素直に乗った。助手席に･･･

ってことはやっぱり運転手は･････

「俺ですよ」

『えっ！あっ･･･』

エスパーかなんかですか？

「先ほどは失礼しました。聖也が･･･」

車が発進するとともに

口を開いた新。なぜお前が誤る？

『あっ･･･いや･･･』

返す言葉がない。