「何がしたい・・・」

「抱いて?1回だけでいいから」

「それだけか?」

「そうよ、抱いてくれたら言わないでおいてあげる」

「ちっ・・・分かった」

そんな簡単なこと・・・。

ひかるを離さないためだったら、いくらでもくれてやる。

「聖也!お前・・・」

新が後ろから肩を掴んできた。

「あ?」

「抱くって・・・」

「いいだろ・・・簡単なことだ」

「ちっ・・・」

「あ?」

新が珍しく俺に舌打ちをした。

「ひかるちゃんの名字・・・知ってたか?」

名字だと?

「"春姫"・・・だろ」

「世界までいってるホテル業界の一社、"HARUHIグループ"の社長令嬢だ」

はぁ?

社長令嬢?