NO TITLE



…―


「え…??」


直宏からその言葉を聞いた時。

あたしはお母さんに黙って東京に行く事を決めた。



これは…家出なんかじゃない。

二度と、ここには戻ってこないのだから。



お母さんが寝静まり、あたしは静かに荷造りを始めた。

必要最低限の物をキャリーバックに詰め、ありったけのお金をショルダーバッグに投げ入れた。


「ごめん、なんて…言わんからね。」

寝顔の母親にそう言い捨てて、唯一住み心地の良かった自分の部屋に別れを告げた。