「はぁ…」

どうしたら、お母さんは分かってくれるんだろ。


ブブブブ…

「ん?電話…」


あたしはスウェットのポケットから携帯を取り出す。


[直宏]


ピッ

「もしもし、直宏??」

『お、良かった出た…』


橋波 直宏・18歳
ハシバ ナオヒロ

高校で仲良くなった数少ない友達の1人だ。


「どうしたん」

『や…ちょっと、な』

「…?」

『花梨、驚かんで聞いて欲しいねんけどな…』

「ん…??」