2年前。


「そんなの、許さんよ。」

「お母さん…あたし、1人で何でも出来るようになりたいんや!!」

「だからって何も東京まで行く事ないやろ!?」


高校を卒業して、ちょうど1ヶ月…。

あたしは、今までずっと心に秘めていた事をお母さんに打ち明けた。



あたしの家は母子家庭だ。

あたしが物心つく前に、お父さんとは離婚したらしい。

だから、あたしはお父さんの顔を知らない。



そのせいもあってからか、あたしは母親に縛り付けられるように育てられてきた。

でも、お母さんは縛り付けてる実感なんてなかったのかも。


それが普通とでも思ってたのかな…

まあ、普通なんて本当は何なのかよく分かんないけど。



取り合えずあたしは、大阪というあたしには住み心地の悪いこの町から…出ていきたかったのだ。