『1年前の花梨は、そない自分を持っとらんかった。』
「自分…」
『俺が言う事やないかもしれんけど、花梨は確実に良い方に変わってきてると思う。』
直宏…。
あんた、いい奴だよ。
「…ありがとね。」
『んー?』
「直宏には色々、助けてもらったし…」
『お礼なんて、いらんわ。俺らの仲やろ。』
「せやな」
また、自然と口から出た関西弁に顔がほころんだ。
『また何かあったら、いつでも頼ってな。』
「うん…直宏?」
『なんや』
「東京にはいつ来るん??」
少しの沈黙がアタシを包む。
『あと…1年したら、現れるらしい。』
なんか、文脈がおかしいような…
「らしい…って??」
『まあ、直に分かるて。』
「…ふぅん。」
『ほなな』
ツーツー…
直宏は…何が言いたいんだろうか。