「お母さん…なんで売春なんか、してんねやろ…」
あたしの目からは、勝手に涙が溢れ出ていた。
昨晩、直宏が電話で言ってた事。
それは…
『見てしもうたんや…お前の母ちゃんが、キャバクラと併用して男と寝とるのを。』
胸に何かが突き刺さったかと思った。
直宏は多分、バイト先のキャバクラのボーイをやってる時にそれを見てしまったのだろう。
お母さんがキャバクラで働いてるのまでは知っていた。
それに偏見はなかった。
昼のパートだけじゃ、お金が足りず夜も仕事をせざるをおえないのだ。
でも、お母さんがそんな仕事までしてるなんて…知らなかった。
お母さん、いくらお金がないからって…犯罪だよ??
稼いだお金が、全部台無しになっちゃうんだよ??
ねぇ、なんで…
なんで…―