華恋≪完≫



「おおっ。“当たりちゃん”来たじゃん♪」

「ほんとだぁ~!かぁいいねぇ♪」


教室の後ろの方からは、
男の子2人がそう話してたのが聞こえてきた。

クラス一周ぐるっと見渡してみると、ポカーンとしている人がほとんどで。


ほぼ、クラス全員の視線はあたしへと注がれていた。


ちょ……、この状態はなんなの?!

こういうの、苦手なんすけど―――………


どうしたらいいか、迷いに迷って頭がこんがらがっちゃって。
ショートしそうになりかけた時、不意に聞こえたその声は……


「あっ、後ろ……!!」

漂うのはフワッ、と匂う癖のない香水の香りで。

「えっ……」

「おっ、うわっ…!」

パッと振り返った時にはもう遅く。


あたしの視界は一気に反転した―――――………