華恋≪完≫


でも、弟にとっては嬉しいのかも……
なんてったって、TV占領できるし?

そこらへんの利点は、あたしも一緒だよね。


もうどうせ遅刻だからって、
開き直っちゃってるあたしの足はすっごいノロマに動いてくれちゃってる。


♪~♪
そんな中、大音量で流れた携帯

「誰だろ……?」

不思議に思いながら開いてみると、
ディスプレイにはさっきまで会っていた筈【はず】の“有くん”と表示されていた。


《爽汰が学校休んだ理由、鈴先輩なんですよ。あいつって…素直じゃないですよね(笑)≫

「ふふっ。本当に……」

あたし、小さいころからずっとなんだけど…

毎日毎日喧嘩ばっかりでムカつく時だってあるけど、
爽汰が弟でよかった……って心から思えるんだ。