華恋≪完≫


外はもう、すっかり暗くなってて。
表情なんて読み取れるはずないのに―――……

俺の言葉を詰まらせた原因、それは…花崎の涙、だったりして。


〈もう暗いんだし、寮に戻れば?>
〈なんか、あった?>


頭には、沢山言葉が浮かんでくるのに、それを声に出しては言えなくて……。

それに、その涙は疾風の為なんだろう…と、ショックを隠しきれない自分もいて。

「ハハッ。ごめん…ちょっと目が痛くって…」

「……そう」

そんな、必死に笑わなくたっていいのに。
泣きたいときは、思いっきり泣けばいい。

確かに、俺はすぐ泣く女が嫌いだけど…
なんていうかその、頑張ってる人の涙は嫌いじゃない。

まだ付き合いが浅いし、ロクに話をした事がないから、花崎がどれだけ疾風の為に頑張ってきたかは正直知らない。

知らない……けれど。


「……泣けば?」

「……なに、いきなり…」

「我慢…なんて、しなくていいじゃん?泣きたかったら、泣けばいい。で、それから…また、頑張ればいい」

「―――………う」

「…え?」

「今日ね…約束してたんだ。は…、友達と」

「うん」


聞いていいんだろうか?
聞きたい半分、聞きたくない半分。

でも、
『ここまで来て行き下がれない』
裏の自分が、そう叫んでいた。