「疾風の見送り、すればよかったのに」
「俺はなにもしてないから。こんな時だけ行くのも変だろ」
新はこう言っているけど、手術後毎日あたしと一緒に疾風のところに通ってくれていた。
あたしがどうしても行けない時も、代わりに行ってくれていたし
そんな優しい新だから、好きになったんだけどね。
「今日はどこ行くの?」
人ごみの嫌いな新が、珍しく外出デートに誘ってくれて
ワクワクを隠しきれないあたし。
「鈴が大好きな所」
「新とならどこでも楽しい!」
一瞬だけ反応した彼の顔が、
赤かったのはあたし以外誰も知らない
「……可愛すぎ」
≪end≫