華恋≪完≫


「じゃあ、恋人だったいいんだ?」

「………へ?」

思わず間抜けな声が出る。
いやあたし、聖那ちゃんじゃないですけど?




「全部話すから、ちゃんと聞いてろよ」


抱きしめられたまま、ゆっくり話す彼の言葉を聞く。



まず、聖那ちゃんとは、付き合ってなかったこと。
図書室で言葉に詰まったのは、動揺してたからだったこと。


あたしが二人と鉢合わせした後、ちゃんと告白を断ってくれていたこと。



疾風のことを、全部知っていること。



あたしが、勝手に勘違いして
新もまた、勘違いしていて。



あぁ、だから別れてしまったんだ。